保険医療機関の「不正・不当請求」対策Q&A

「不正・不当請求」対策Q&A

Q1. 「不正請求」と「不当請求」は何が違うのですか?

A1. 監査要綱により、以下のように明確に定義されています 。

  • 不正請求:詐欺や不法行為に当たるもの。架空請求(受診していない患者の請求)、付増請求(回数の水増し)、振替請求(高い点数へのすり替え)などが該当します 。
  • 不当請求:算定要件を満たさないなど、妥当性を欠くもの。カルテへの記載不足、人員要件(専門医の欠如など)の不備、審査機関による査定減(減点)などが含まれます 。

Q2. 意図的でないミスでも処分を受けることはありますか?

A2. はい、処分の対象となります 。悪意がなく「知らぬ間に」不当請求を行っていた場合や、2年ごとの診療報酬改定で以前の手法が不適切になっていたケースでも、重大な過失とみなされれば行政処分の対象となるリスクがあります 。

Q3. 指導や監査で不適切な請求が発覚した場合、どのようなダメージがありますか?

A3. 主に以下の5つの深刻な影響が想定されます 。

  1. 指定・登録の取消:保険医療機関の指定や保険医の登録が取り消されます 。
  2. 5年間の再登録禁止:原則として5年間は保険診療が行えなくなります 。
  3. 多額の返還金:原則5年分を遡って返還が必要となり、さらに40%の加算金が課される場合もあります 。
  4. 社会的信用の失墜:病院名や内容が公表され、経営に致命的な打撃を与えます 。
  5. 対応による疲弊:度重なる呼び出しや診療休止など、多大な労力が削られます 。

Q4. 個別指導や適時調査の通知が来てからでも対策は間に合いますか?

A4. 通知が来た後でも、ダメージを最小限に抑えるためにできることはあります 。現状を把握し、カルテやレセプトの点検、当日の回答ポイントのシミュレーションを行うことが重要です 。ただし、証拠隠しとみなされる「安易な改竄」は厳禁であり、より悪質と判断されるリスクを高めるため注意が必要です 。

Q5. 日常の業務で特に気をつけるべきポイントは何ですか?

A5. 以下の3点を意識してください。

  • 記録の徹底:保険診療において「記録(カルテ記載)」は不可欠です。正当な診療であっても、記載不足であれば不当請求とみなされます 。
  • 査定減の放置禁止:減点を放置すると「不当請求を認めている」と判断される恐れがあるため、適切な再審査請求などのアクションを推奨します 。
  • 確認フローの構築:事務に任せきりにせず、医師が最終確認を行う体制を整えてください。

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