保険医療機関、保険医の取り消しは「保険診療」の十分な理解できていないからです。

保険医療機関

「適切な記録」が請求の根拠です。

診療行為をどの請求点数で算定できるか?それは、根拠となる適切な記録があってはじめて、診療報酬請求が可能となります。

「指導・監査」への対策については、本来は、何も恐れることはありません。しかし、平成30年度の結果としては、返納する金額が合計額が年間で84億円と大金になっています。

(平成29年度は返納金額が総額で72億円にものぼっております。平成30年度が多いことは、診療報酬の改定年度であり、解釈等の不備により、不当請求となってしまったものが多かったことが原因と思われます。)

上記のことはあったとしても、どうしても「適切な記録を残せていない」ことが大きな原因のひとつであると思います。
診察の記録、療養の指導を行なう内容の記録など、それらの記録をカルテに記載しておくことができていないことが問題なのです。

達筆な医師の難解な文字を解読することは無くなってはきましたが、今度は、安易なコピぺや代わり映えしない定型句が問題となってくるのではないかと思っています。
「画一的な記録・記載」についても、適切な診察のうえでの診療の記録であるのか、本当は診察してはいないのではないかと、実際に保険診療が行なわれていないのではないかと疑われてしまうからです。
診療の記録を行なう上で、キラーフレーズはありえません。同じものが並べば、「画一的」とされてしまいます。

 

実際にあった保険医療機関と保険医の指定取消事例について

本年(令和元年)、50代の医師の医療法人と保険医の取り消し事例です。

不正請求 29名分 レセプト364件 1,365,815円
不当請求  6名分 レセプト  7件    15,413円

※この金額等については、まだ、精査中で確定はしていません。

処分の主な理由について

不正請求 

 (参考→不正請求・不当請求とは?
①架空請求:実際には行なっていない保険診療を行なったものとして診療報酬を不正に請求
・医師の複数の親族を月に1度も診察せず、親族の処方箋を作成、親族、本人が、薬剤を受け取るとともに、再診料、外来管理加算、特定疾患療養管理料及び処方せん料等の診療報酬を請求
②付増請求:実際に行なった保険診療に、行なっていない保険診療を付増して、診療報酬を不正に請求
・複数の親族を月に1度のみ診察し、診察していない日に、親族、医師本人が使用する薬剤にかかわる処方せんを発行し、薬剤を受け取り、再診料、処方せん料等の診療報酬を請求  ほか
③その他の請求:保険診療と認められないものを、保険診療を行なったものとして診療報酬を不正に請求
・患者は来院はしたが、診察せずに処方せんを交付、再診料、処方せん料等を請求
・患者は来院、診察をせずにリハビリテーションを担当する従業員に消炎鎮痛等処置を行わせ、再診料、消炎鎮痛等処置等の診療報酬を請求

不当請求

・前回診療と明らかに同一疾病で再診料を算定すべき事例を、誤って初診料にて請求
・特定疾患療養管理料について、主病に対する管理内容の要点が診療録に記載されていないにもかかわらず請求

監査に至った経緯など
(1)匿名の者から、厚生局に、当該医師が自分で服用する薬を他人の名前を使って処方している旨の情報提供あり
(2)個別指導を実施、(1)の内容を認めたほか、無診察での処方せんの交付や消炎鎮痛等処置を認め、不正・不当請求内容も認めた
よって、個別指導は中止し、監査を行った。

(2)の不当請求ですが、通常の診療中にも起こりえることだと思います。
再診料の点数<初診料の点数 ですし、初診料の算定については、
・患者が任意に診療を中止し、1月以上経過した後、再び同一の保険医療機関において診療を受ける場合には、その診療が同一病名又は同一症状によるものであっても、その際の診療は初診として扱う。
上記にかかわらず、慢性疾患等明らかに同一の疾病又は負傷であると推定される場合の診療は、初診として取り扱わない。とあります。患者が中止したとしても、慢性疾患等明らかに同一の疾病又は負傷であれば、再診料を算定するしかないのです。
また、特定疾患療養管理料についても、主病に対する管理内容の要点が診療録に記載されていることが、保険診療の要件です。記載がないことは、要件を満たしていないものとして、算定ができないこととなります。

無診察でのリハビリテーションについてや管理料などの要件を満たす記録の記載は以前から指摘されています。

十分に留意されますよう、お願いいたします。

例外はあります。

実際に保険診療のルールに則って行っているのですが、一見すると、守っていないように見えるものもあります。

無診察ではなく、施設基準を満たしての、継続的なリハビリテーションや、放射線治療については、都度、医師の診察後でなくとも、治療が認められていることがあります。

B001-2-7「外来リハビリテーション診療料」やB001-2-8「外来放射線照射診療料」です。これらの要件を満たしての届出、実施、記録、などがあれば、診察をしてのそれぞれの保険診療の実施が可能となってます。患者さんへの十分な説明も必要ですし、他の患者さんが誤解しないような周知も必要かと思われます。

B001-2-7「外来リハビリテーション診療料」B001-2-8「外来放射線照射診療料」→(平成30年診療報酬改定 医学管理料等 P12、P13)
疑義解釈 2012年改正 資料より (→疑義解釈 P26から)外来リハビリテーション診療料、外来放射線照射診療料に関わる疑義解釈について

行政書士 佐々木浩哉

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