わたしが、なぜ「指導・監査」対策を掲げているのか? 監査に移行すれば大変です。

「指導・監査」対策はどなたが?

保険診療の適合・不適合のチェックはどなたがやってますか?レセプト請求が終わったことで保険診療ができたことにはなりません。

カルテには適切な記録が必要です。

「指導・監査」への対策を怠れば、過剰分の返納だけでは済みません。病医院がつぶれてしまうことがあります。

不正請求や著しい不当請求が指導から監査へ移行し、監査で公表される不正請求等の指摘される内容によっては、ペナルティーとして、4割増しの返還をすることもあります。最悪の場合、保険診療ができなくなってしまう(保険医・保険医療機関の取り消し処分)ことがあります。保険診療ができないことによって、患者さんは自費診療で一旦、全額負担を強いられます。自ずと他の保険医療機関さんへ転医してしまい、患者さんのいない病医院となってしまいます。

保険診療と不正請求、不当請求。指導や監査の結果と対策について

どのような状況であれば、不正請求や不当請求になるのかをご存知ないため、保険診療の要件となるカルテの記載や記録が適切でない保険医療機関さんが多いのではないでしょうか。その結果、「指導・監査」で指摘され、平成30年度で84億円もの多額の返還を行っているものと考えられます。

(→平成30年度の個別指導・適時調査の実施状況、)
(→不正請求・不当請求について

しかし、今の体制のままで、記録の充実を図ることは、お医者さんの記載だけが増えてしまい不可能です。先生ご自身だけではなく、病院全体で適切な記録を残す仕組みをつくる必要があります。

保険診療の要件と厚生労働省の担当者(=保険診療を点検するプロ)について

診療行為を診療報酬の点数化するのは分かっていますが、本当に請求ができるかどうかは、記録としてカルテに記事がきちんと残っているのかが重要となります。その点を厚生労働省(=保険診療を点検するプロ)が指導しているのです。

行っていない診療費を請求したり、保険診療の中身をわざと高い点数で請求すれば、不正と判断しますし、算定する要件を満たしていないのに請求したものは、不当と判断し、指摘します。

不正や著しい不当があれば、監査へと移行してしまいます。

監査となってしまえば、何度も何度も厚生局へ行かなければならないですし、故意に不正や不当な診療報酬の請求や重大な過失と認められてしまえば、健康保険上の処分となってしまいます。

最悪の場合、保険医登録・保険医療機関指定の取り消し処分となってしまい、保険診療ができなくなってしまうのです。(取り消し処分で5年間は、その間、再取得できません。)

保険診療については、医療の制度とか仕組みとかは、勉強する機会はあったでしょうが、足りるはずがありません。

厚生局での保険診療を理解するために、集団指導を行って、周知を図ったりはしてますが、保険診療のプロと届けさせるわりには、名乗らせるための学習等については、ほかのことに比べて、多くの手間や時間を使っていません。保険診療の算定要件となる記録(カルテ記載の充実)については、お医者さんたちがご自身で学んでいくしかないのです。

研修医として勤務するときに保険医の届出申請書を書きます。ここでもう、保険診療を熟知しているプロですと自己申告です。臨床研修医として2年間、医師としての腕を磨きますが、このときのカリキュラムにも診療報酬請求の内容についてはありません。

医事システムに過不足なくデータを入力しさえすれば、医療費の請求はできてしまいます。そこが落とし穴なのです。

診療報酬の請求ができることとが保険診療を行っていると勘違いをしてしまうお医者さん達が多いのはないでしょうか?

保険診療のルールを守っているのかどうかという、算定要件となる「適切な記録」を行う義務についてはどの程度認識されているでしょうか?

個々の保険医療機関と保険診療、そして、チェック体制について

繰り返しとはなりますが、カルテの記録が十分でなくとも項目の指示だけで、保険診療を請求するための請求書(=診療報酬請求明細書(レセプト)の総括)ができてしまい、「保険診療は分かった。もう大丈夫。」と思っていらっしゃるお医者さんが多いのではないでしょうか?

診療報酬の算定要件であるカルテ記載の中身はどなたがチェックされてますか?事務職員は、請求漏れがないか、査定はされないだろうかといったことが中心となっています。(記録は先生のお仕事なのです。)

「医事事務の職員もいるよ。」で終わってませんか?

院長先生に対して、保険診療が確実にできているかを指摘するかたがいらっしゃいますか?

記録に対しては、先生の日々の忙しさから疎かになっていることがありませんか?

コンサルタントは、「カルテ記載の内容を充実をしてください。あとは、資料で、院長先生がんばってください。」で終わっていませんでしょうか?

適切な記録について

電子カルテを採用している病医院さんが増えています。様々な機能もあり、定型句やテンプレートの設定なども可能ですが、中身はクリニックさんで検討しなくてはならないことがほとんどです。定型句の見直しやテンプレートの追加などを含めて、病医院職員全体で「適切なカルテ記載・記録へと対応していく仕組み」をつくっていく必要があります。

保険診療の要件と外部の専門家のチェック・支援について

クリニックさんや病院さんなどを訪問させていただき、院内を拝見、掲示物のチェックを行うことで、保険診療に関する取組みがどの程度までできているかがおおよそわかります。

個別指導や適時調査への対応・対策として、保険診療の要件、施設基準の届出内容と実施要件などの確認も行います。

保険診療の要件となる記録の確認、掲示内容や同意書の取得状況のチェックなど、わたしにお手伝いをさせていただけませんか。

行政書士 佐々木浩哉

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. […] ・わたしが、なぜ「指導・監査」対策を掲げているのか?それは、病医院さんに潰れてほしくはないからです。 […]