「同日=混合診療」ではありません
― 健康診断・検診・予防接種等と保険診療を同日に行う場合 ―
医療機関では、「健康診断や予防接種は自費だから、同じ日に保険診療を行えば混合診療になるのではないか」という誤解が生じることがあります。
しかし、健康診断・検診・予防接種等と保険診療を同日に行ったという事実だけで、直ちに「混合診療」となるわけではありません。
1 混合診療とは何か
混合診療とは、一連の診療の中で、保険診療と保険外診療(自由診療)を組み合わせることをいいます。
したがって、 「保険診療と自費の診療を同じ日に行った」 = 「混合診療」 ということではありません。
重要なのは、同日かどうかではなく、それぞれの診療の目的や内容、保険診療と保険外診療との関係です。
例えば、
- 健康診断を受けた日に、別の症状について保険診療を受ける
- 予防接種を受けた日に、別の疾病について保険診療を受ける
- 健診とは直接関係のない疾病について、保険診療を行う
といった場合、「同日に行った」というだけで混合診療になるわけではありません。
2 「初診料・再診料等が算定できない」こととは別の問題
ここは特に注意が必要です。
令和8年度診療報酬改定では、健康診断・検診・予防接種等と同日に、1回の受診で保険診療を行った場合、初診料・再診料等を算定できないことが明確にされています。
これは、 「初診料・再診料等が算定できない」 という診療報酬の算定上のルールです。
これを、 「その日の保険診療ができない」 と理解してはいけません。
つまり 初診料・再診料等の算定不可 ≠ 保険診療そのものが不可 です。
初診料・再診料等を算定できない場合であっても、保険診療として必要な検査、画像診断、投薬、注射、処置、手術等については、それぞれの保険診療上の要件を満たすかを確認したうえで、個別に算定の可否を判断します。
3 医療機関での整理
| 誤った理解 | 正しい理解 |
| 自費の健診等と保険診療を同日に行うと混合診療になる | 同日に行っただけで混合診療になるわけではない |
| 健診等と同日は保険診療をしてはいけない | 保険診療を行うこと自体が禁止されているわけではない |
| 初診料・再診料等が算定できない=保険診療ができない | 初診料・再診料等の算定と、その他の保険診療の可否は別問題 |
【結論】
「同日だから混合診療」ではありません。 健康診断・検診・予防接種等と保険診療を同日に行う場合は、
① 混合診療に該当するか と ② その診療について何を算定できるか を分けて判断することが重要です。
特に、「初診料・再診料等が算定できない」ことを理由に、「保険診療そのものができない」と判断しないことが重要です。