なぜ?保険診療4 保険医は国の定めた診療方針に従わなくてはならない。(療養担当規則 第2章)

療養担当規則とは

1.療養担当規則とはなにか の前段 については、「なぜ?保険診療3」で記載しました。(「保険医療機関及び保険医療養担当規則」(→療養担当規則全文))

保険診療として診療報酬が支払われるには、保険医が保険医療機関において、健康保険法、医師法、医療法等の各関係法令の規定を遵守し、「療養担当規則」の規定を遵守し、医学的に妥当適切な診療を行い、神宝報酬点数表に定められた通りに請求を行うこととされています。以下に「療養担当規則」の条項等について、保険診療3のつづき として簡略化して記載します。

保険医の診療方針等

第2章 保険医の診療方針等

診療の一般的指針

1.診療の一般的方針(第12条)

的確な診断をもととし、妥当適切に行わなければならない。

療養の指導の基本準則

2.療養及び指導の基本準則(第13条)

懇切丁寧、理解しやすいように指導しなければならない。

指導

3.指導(第14条、第15条

医学の立場を堅持し、心身の状態を観察し、心理的な効果をも挙げることができるよう適切な指導を行わなければならない。予防衛生及び環境衛生のかん養に努めなければならない。

転医及び対診

4.転医及び対診(第16条)

専門外は転医させるか、専門医の対診を求める等、適切な措置を講じなければならない。

診療に関する照会

5.診療に関する照会(第16条2)

他医の照会に、適切に対応しなければならない。

施術の同意

6.施術の同意(第17条)

みだりに施術業者の施術に同意を与えてはならない。

特殊療法等の禁止

7.特殊療法等の禁止(第18条)

厚生労働大臣の定める療法のほかを行ってはならない。

使用医薬品及び歯科材料

8.使用医薬品及び歯科材料(第19条)

厚生労働大臣の定める医薬品以外の薬物を患者に施用し、又は処方してはならない。但し、治験は別。

健康保険事業の健全な運営の確保

9.健康保険事業の健全な運営の確保(第19条の2)

健全な運営の確保

特定の保険薬局への誘導の禁止

10.特定の保険薬局への誘導の禁止(第19条の3)

特定の保険薬局へ誘導してはならない。また、その見返りとして薬局から金品を得てはならない。

指定訪問看護事業との関係

11.指定訪問看護事業との関係(第19条の4)

必要と認められる場合、訪問看護指示書を患者の選定する訪問看護ステーションに交付しなければならない。適切な指導等を行わなければならない。

診療の具体的方針

12.診療の具体的方針(第20条)

具体的方針は前12条の規定によるほか、次に掲げる。

一.診察

診察は、職業上及び環境上の特性等を顧慮する。服薬状況及び薬剤服用歴を確認する。健康診断は療養の給付の対象外とする。往診は診療上の必要による。各種の検査は、研究の目的をもって行ってはならない。但し、治験は可。

二.投薬

投薬を行うに当たっては、必要と認められる場合のみ。最低限の投与とする。同一の投薬は、みだりに反復してはならず、症状の経過により変更する。投薬については、後発医薬品の使用を考慮する。栄養、安静、運動、職場転換等により治療の効果が挙がると認められる場合は、これらの指導を行い、みだりに投薬してはならない。投薬量は必要期間に従う。厚生労働大臣の定める医薬品については、1回14日分、30日分、90日分を限度とする。注射薬の投与は厚生労働大臣の定めによる医薬品のみ。投与量は症状の経過に応じる。限度は14日分、30日分、90日分を限度とする。

三.処方せんの交付

処方せんの有効期限は、交付の日を含めて4日以内とする。

四.注射

注射は、経口投与による胃腸障害、不能のとき、その他注射によらなければ治療の効果が期待できないとき。後発医薬品の使用を考慮。内服薬との併用は、著しい効果が明らかか、内服薬だけでは十分な治療の効果が得られない場合に限る。混合注射は、合理的と認められる場合のみ。輸血等は、必要があると認められる場合のみ。

五.手術及び処置

手術は、必要があると認められる場合に行い、処置は、必要の程度において行う。

六.リハビリテーション

必要が認められる場合のみ。

六の二.居宅における療養上の管理等

療養上、適切と認められる場合のみ。

七.入院

療養上、必要があると認められる場合のみ。単なる疲労回復、正常分娩又は通院の不便等のための入院の指示はしてはいけない。患者の負担により、従業員以外の者による看護を受けさせてはならない。

13.歯科診療の具体的方針(略)(第21条)

診療録の記載

14.診療録の記載(第22条)

保険医は、診療のあと、遅滞なく、様式第1号又はこれに準ずる様式の診療録に当該診療に関し必要な事項を記載しなければならない。

処方せんの交付

15.処方箋の交付(第23条)

処方箋を交付する場合は、様式第2号若しくは第2号の2又はこれに準ずる様式の処方箋に必要な事項を記載しなければならない。その処方箋に対し、照会があった場合には、これに適切に対応しなければならない。

適正な費用の請求の確保

16.適正な費用の請求の確保(第23条の2)

保険医療機関が行う療養の給付に関する費用の請求が適正なものとなるよう努めなければならない。

第3章 雑則(略)

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